オンライン会議ツール「Re:motto Lite」の公開までにやったこと。
先日Re:mottoと別のサービスとしてRe:motto Liteをリリースしました。Re:mottoがリリースされた時同様に、今回もRe:motto Liteの概要や、公開までにやったこと、開発の背景などを紹介します。
以下、目次となります。
- Re:motto Liteはどんなサービス?
- なぜRe:motto Liteを作ったのか
- リリースまでにやったこと
- 開発で意識していること
- その他お知らせ
※Re:mottoができた背景などはこちらの記事をご覧ください。
Re:motto Liteはどんなサービス?
Re:motto Liteは、オンライン会議を効率化するためのサービスです。オンライン会議を行うために必要な、最低限の機能だけを兼ね備えています。
特徴としては、以下のような点が挙げられます。
- ユーザー登録不要
- URLを共有するだけで使える
- 3ステップでオンライン会議に必要なフォーマットを作成
- 議事録をメールに送信
詳しいユーザーフローを知りたい、画面が見たい、という方は、LPに使い方の紹介がありますので、そちらをご覧ください。
なぜRe:motto Liteを作ったのか
Re:mottoの本家の方は、プロジェクト単位で使用するため、いきなり何かに導入してもらうというのは、非常にハードルの高いことです。 なので、まずはもっと気軽に利用してもらえるようなライトなツールを作って、「Re:motto」というサービスに慣れてもらおうと思ったのがきっかけでした(他にも似たようなツールはあると思いますが..)。
また、こういったライトな形式であれば、自分がオンライン会議をする際にも使用しつつ、多くの人の声も拾うことができ、拡散しやすいという点でも、すぐに作って試そうということになりました。
サービスの位置付けとしては、Re:motto本家を利用してもらうための、お試し版という形です。 実際にRe:motto Liteを使ってもらって、使い勝手が良いと感じた方には、ぜひRe:motto本家を利用して頂ければ幸いです。
リリースまでにやったこと
上記のような背景から開発に至ったわけですが、実際にリリースまでにやったことについて紹介していきます。 なお、思いついてから開発〜リリースまでの期間は約1週間くらいでした。とりあえず出して、色んな人の反応をみたいという思いもあったので、本当に最低限のことしかしていません(内容は「そんなの当たり前やん!」みたいに思う人もいるかと思いますが...)。
エレベータピッチをつくる
まずはじめにやったことは、エレベータピッチをつくることでした。
※こちらの8ページ目「アジャイル開発用のインセプションデッキにおけるエレベータピッチ」参考
フォーマットとしては、以下になります。
[背景・解決したい問題]したい [対象顧客・利用者]向けの [サービス・アプリ名]というプロダクトは、 [サービス・アプリのカテゴリ]です。 これは、[アピールポイントや主要機能など]ことができ、 [競合サービスなど]とは違って、 [差別化の決定的な特徴]が備わっています。
これを作成するために、まずRe:motto本家の機能や特徴を分解することをしました。その後、それらをライトに使わせるためにはどういう体験が適切かを考え、サービスのコンセプトを決めていきました。 その結果としてできたものが以下のエレベータピッチとなります。
[オンライン会議を]したい [リモートで働く人]向けの [Re:motto Lite]というプロダクトは、 [オンライン会議効率化ツール]です。 これは、[ユーザー登録不要かつURLを共有するだけで、オンライン会議をする]ことができ、 [Appear.in]と違って、 [会議情報やアジェンダの設定、議事録を送信するなど、オンライン会議に特化した機能]が備わっています。
これを作る目的としては、開発途中のサービスのブレを少なくすること・他の人とのサービスについての情報伝達を効率よく行うことです。 何か議論をする際には、都度こちらに立ち返ることを意識していきます。
ユーザーフローを考える
エレベータピッチを作った後に、ユーザーフローを考えました。エレベータピッチを作った時点で、ユーザーに提供する体験が明確になっているかと思います。
Re:motto Liteの場合は、「ユーザー登録不要かつURLを共有するだけで、オンライン会議のフォーマットを提供する」ことです。 違う表現であれば、ユーザーに対して、「最短」かつ「最小の負担」で、オンライン会議の場を提供するということです(わかりにくかったらすみません)。
これを元に考えたユーザーフローが以下になります。
- 会議情報(タイトル・概要・開始時間)を入力する ‑> この時点でURLが生成される
- アジェンダ(順番・アジェンダタイトル)を登録する
- 会議画面へワンクリックで
- アジェンダごとにメモを残す
- (Optional)メールアドレスを入力 -> 会議情報・アジェンダ・メモの情報が議事録として入力されたアドレスに送信される
これを元に簡易版を作り、「オンライン会議用のツール」という情報だけを伝え、実際に使用してもらい、迷子にならないかを見ていきました。そのレビューを元に、最終的な機能やレイアウトなどを決定しました。
ここに書いていないことを含め、リリースまでにやったことを時系列順にまとめると以下のようになります。
1. エレベータピッチの作成 2. 開発者間でのエレベータピッチの共有&ディスカッション 3. ユーザーフロー作成 4. 簡易版作成(一通りのフローが体験でき、サービスイメージがつくもの) 5. 簡易ユーザーテスト 6. 最終機能 & レイアウト決定 7. 本開発(簡易版からデザイン当てや機能拡張など) 8. 最終チェック(ユーザーおよび開発者間にて)
開発で意識していること
前回のRe:mottoができた際の記事と似たようなことを書いている部分もありますが、Re:motto Liteの開発で特に意識している点は大きく以下の2点です。
* サービス名の通り、すべてを「ライト」に * 大事なのは「つくる」ことではなく「体験を届ける」こと
すべてを「ライト」に
作っているとあれこれと欲が出てくるものです。サービスの位置付けやサービスのコンセプトから外れないように開発を進めています。 しかし、いざこれがないと不安だなぁと思うものももちろんありました。しかし、そこは「少し物足りないくらいがちょうど良いんだ」とひたすら言い聞かせ、開発を進めていきました。
初見のサービスを見たときに「使ってみよう!」と思ってもらうために必要なことは、以下の2点だと私は思っています。
- サービスが提供する体験が明確でわかりやすく、使っていない状態でもある程度のイメージができること
- ちょっとだけ利用した時に、短い時間でもユーザーにとって刺さるような「何か」を提供できていること
「お前だけだよ、そんなの。」と思う人もいるかもしれませんが、私自身何か新規で立ち上げる時には、これらをとても意識するようにしています。 色んなサービスが出ている中で、結局「使おう」という決め手になるのは、シンプルで体験が伝わりやすいものだと思っています。
なので、いつもユーザーがついてくるまでは、欲を抑えて最小限でリリース => 改善というサイクルを続けています。
大事なのは「つくる」ことではなく「体験を届ける」こと
これは例をあげて説明していきます。
Re:mottoとRe:motto Liteの会議画面ではどちらもAppear.inというサービスを埋め込んで、通話機能を実現しています。リリースしてから、これに対して、「なんで自前で実装しないの?ただ埋め込んでるだけってどうなの?」といった意見を何名かに頂きました。
もちろん実装したい気持ちはあります。しかし、それを聞いて思うことは「本当にそれって重要なのか?」ということです(決して批判している訳ではありません)。
「本当にユーザーが求めていることなのか」を考えた時にユーザーにとって本当に大事になことは、「すべてが自前で実装された機能」よりも「安定して通話ができる体験」だと思っています。私にとって、前者は「サービス運営者」または「同業者」の視点だと考えています。
サービスを運営する立場からすると、すべてが自分のコントロールできる範囲にある、という安心感は非常に大きいものです。でもその一方で、それを開発するコスト、運用するコストも増えることになります。
他社のサービスに依存するリスクももちろんあります(現にその心配から自前で実装しようとしたこともありました...)。しかし、それ以上に、立ち上げにおいては、そこに時間を費やして、ユーザーに対して届くまでが長くなる方がリスクだと考えています。
前回のRe:mottoのリリースの記事にて、「本質に向き合う」ことを意識していると書きましたが、私にとっての「本質に向き合う」というのはこういうことです。 こういうのは、その他にも細かいところでよく出てくる話かと思いますが、都度「本質に向き合う」ことを意識し、意思決定を行なっていきたいと思います。
なお、通話の部分に関しては、拡張の必要性を感じるまでは、現状のままAppear.inを埋め込んだままの形でいこうと考えています。その浮いた時間で、他の部分の改善などを行なっていきます。
その他お知らせ
本家LPリニューアルしました!
Re:mottoのLPをリニューアルしました。もう少し利用イメージがつくように、利用フローなどを画面付きで追加しました。
再度こちらの方も見ていただけると幸いです。
最後に
色々偉そうに言っていたところもありますが、サービスはまだまだなので、一歩一歩精進していきます。
今後は、Re:mottoとRe:motto Liteの2つの運用になります!どちらもご利用のほどよろしくお願いします。
また、ご意見、ご質問、その他お問い合わせなど、何でも以下のフォームよりお願いします!(運営を手伝ってくれる人も大歓迎です!)